Primary transitional carcinoma of the remaining ureter after nephrectomy for pyonephrosis : a case report

摘要

70歳男性.患者は約3年前に右上部尿管狭窄による右膿腎症で右腎摘除術を受け,1年後に肉眼的血尿で受診したが異常を認めず,血尿も自然消失した.しかし今回,再度の肉眼的血尿にて受診となった.超音波検査では右遺残尿管の拡張を認め,CTでは遺残尿管は全長にわたり肥厚し,尿管内部に造影効果を伴う充実性腫瘍を認めた.逆行性尿管造影では不整な尿管壁が描出され,採取した尿細胞診はclass IVで,右遺残尿管腫瘍と診断し,腹部傍腹直筋切開で尿管口を含めて右遺残尿管摘除術を施行した.病理所見では,肉眼的には尿管内腔にに乳頭状に増生する腫瘍を認め,顕微鏡的には乳頭状腫瘍は筋層に浸潤していたが尿管内に留まり,移行上皮癌G2,pT2と診断された.術後3年経過現在,局所再発や遠隔転移は認めていない