Complex Fluid-Sediment Interactions in Fluvial and Coastal Environments –Part 3

摘要

本稿は，21世紀COEプログラムの中で「山地・河川・海岸系における物質動態に関する研究」の成果を一昨年および昨年度に引き続き第3報として取りまとめたものである。穂高砂防観測所をはじめとする隔地観測所・実験所で実施されている観測・実験を通して、山地から河川、さらに海岸・海域に至るまでの物質動態、とくに土砂動態を中心に取りまとめている。山地部では、裸地斜面からの長期的な土砂生産量を観測し、凍上・融解による土砂生産と粒度分特性が明らかになってきた。また、模型斜面を用いた豪雨時表層斜面崩壊の実験と予測モデルの検証並びに山地部での降雨・土砂流モデルの構築と観測データによる検証が行われている。水害調査にもとづく谷底平野および沖積平野における水害地形と河道変動に関する検討や、没水時の水制による局所洗掘に関する3次元流と河床変動解析法の開発も行われ、その概要が示されている。また、暴風時の沿岸流の特性や海浜風や降雨に与える黒潮などの暖流の影響などが現地観測やシミュレーションを通して明らかにされている。