The structure changes of supply-demand of the logs from Southeast Asia, and the Adaptation of the industries depending on the Southeast Asia logs in Japan.

摘要

日本の南洋材消費産業は合板産業と南洋材製材業である。両者はともに南洋材という安価で豊富な資源を基盤にして, 戦後から高度経済成長期を通じて大きく成長してきた。しかし昭和50年代になると, 両産業は供給側の変化 (資源枯渇, 産地国の原木輸出禁止措置, 製品輸入増大) と需要側の変化 (低成長期以降の需要縮小) の両面から対応を迫られる。そこで一方の合板産業は加工技術を発展させることによって資源利用範囲を拡大し, コストを低減させ, 競合材や輸入合板との価格競争力を維持してきた。しかし, 南洋材製材業は衰退の一途をたどっている。製品の品質が原木の質に規定される側面の強い製材業は, 原木の高騰, 低質化に対応できず, 需要減退を止められなかったのである。しかし合板産業にしても, 所詮原木に規定される部分は大きく, 相対的に縮小の時期が遅れているに過ぎない。今後は, 産地国からより安価でより良質な製品が輸入され, 増大していくであろう。南洋材原木を圏内で加工する時代は, 今や終わろうとしている。