Analysis of employment injury of private forests in Kyoto Prefecture (II) : regarding age bracket of forest workers

摘要

若い林業労働者の労働災害と高齢者の労働災害との相違を検討し, また労働者の年齢層を経験年数の層で区分し, 特に災害発生の多い構成要素について検討した。年齢層は29才以下, 30-39才, 40-49才, 50-59才, 60才以上の5段階に分けている。1. 年齢層による労働災害の相違 1) 休業日数 : ほぼすべての年齢層の労働者に対して休業日数"2カ月以内"までの災害割合が高い。40才未満の労働者には休業日数"2週間以内"の比較的短期間の災害割合が高い。2) 発生時刻 : 29才以下の年齢層は午前に災害割合が高く, 40才以上では10, 12時, 15-17時で災害割合が高い。3) 事故の型 : "切れ"は特に29才以下の層で災害割合が高い。年齢が高齢化するに従い, より多くの"事故の型"の災害に被災する傾向がある。4) 傷害部位 : 手・足などの身体の末端部の災害割合は特に40才未満の層で顕著である。40才以上の層では頭・胸などの身体の中心部の災害割合が高い。5) 傷害名 : 40才未満の層では"切創"の災害割合が高く, 40才以上の層では被災する"傷害名"の数は多くなる。6) 加害物 : すべての年齢層で伐採木による災害割合が高い。29才以下の層ではチェーンソー・刈払機による災害割合が高い。7) 起因物 : 加害物と類似の結果が見られる。林地は加害物としてより起因物としてより高い災害割合を示す。8) 経験年数 : 経験年数"4年以下"の場合, 経験年数"5-9年"の場合より災害発生が高く, 特に年齢29才以下で経験年数"4年以下"の層に災害発生が高い。50才以上の層では経験年数"4年以下"の者の災害発生がかなりの数にのぼっている。50才以上で経験年数"10年以上"の者は現在林業労働災害の最も多い層である。