A morphological study of the testes in patients with idiopathic male infertility--immunohistochemical analysis of collagens and laminin in human testes

摘要

1)コントロール群と特発性男子不妊症群の精巣組織所見を比較検討し,両群間に有意差を認めた.2)精巣組織について各型コラーゲンとラミニンの分布を免疫組織化学的に検索した.3)コントロール群の精細管基底膜には,1,3,4,5型コラーゲン,ラミニンの陽性反応が認められた.間質では,1型および3型コラーゲンの陽性反応が認められ,特にLeydig細胞の限界膜にこれらの強い陽性反応を認めた.4)特発性男子不妊症群の肥厚した精細管基底膜では,1型および3型コラーゲンの増加を認めた.4型コラーゲンの陽性反応は二層性に,ラミニンの陽性反応は,精上皮側に限局した.5型コラーゲンの陽性反応は基底膜全体に認められた.閉塞し硝子化した精細管では,1型および3型コラーゲンは陽性反応を示したが,4型,5型コラーゲン,ラミニンの陽性反応は消失した.一方間質領域は増加し,1型および3型コラーゲンの陽性反応の増加が認められた