Traumatic rupture of giant hydronephrosis due to ureteral stone: a case report

摘要

49歳男.右腰背部痛と肉眼的血尿を主訴とした.屋根より転落し,しばらく安静にしていたが疼痛が持続,血尿が出現したため救急搬送された.既に出血性プレショック状態であり血液検査で著明な貧血を認めたため緊急入院となった.KUB,CT,MRIで著明な右腎盂の拡張を認め,その内部はT1強調像で低信号,T2強調像で高信号を示す不均一な像を認め,凝血腫を含む血液成分の貯留と考えた.また,右尿管に1cm大の結石陰影を認め,左腎盂内にサンゴ状結石陰影を認めた.その後,輸血を必要とする血尿が再出現し,止血目的のため腎動脈造影を行ったところ,2ヶ所にstainがみられextravasationが示唆され,右腎動脈からスポンゼルによる塞栓術を施行した.しかし術中,腎温存は困難と判断し,腎摘除術を施行した.術後は患者が回復するのを待ち引き続きサンゴ結石の治療を開始し,PNLを計3回行った.術後経過は良好で,腎機能は正常化し,術後28ヵ月の現在,結石の再発は認めていない