天蚕糸／家蚕糸交織布の黄金染めに関する感情効果

摘要

本研究では、被験者が一番黄金色に見える試料を用いて、黄金色の趣や印象をどのような感情効果で表現されているのかを20代、40代、60代にわけて明らかにすることを目的とした。調査方法は、20対の評定用語を用い、SD法による5段階評価とした。解析方法は、因子分析である。各年代の違いでは、20代では陽気な、温かい感じ、活発な感じ、賑やかな感じ、眩しい、めでたい、40代では陽気な、温かい感じ、活発な感じ、賑やかな感じ、ゴージャスな、めでたい、派手な、60代では陽気な、温かい感じ、活発な感じ、眩しいであった。20代の被験者は、活動性の言葉を用いてイメージし派手な印象、40代は活動性、感性の言葉を用いてイメージし賑やかで派手な印象、60代は活動性、感性の言葉を用いてイメージし輝きの印象であったと考えられる。各年代における黄金色に対する感情効果に差がないことがわかった。