High degree of genetic polymorphism in apolipoprotein(a) associated with plasma lipoprotein(a) levels in Japanese and Chinese populations

摘要

（目的）リポタンパクの一種であるリポタンパク(a)［Lp(a)］は、その血漿中濃度の高値が虚血性心疾患の独立した危険因子となるうえ、その主要な構造タンパクであるアポリポタンパク(a)［apo(a)］がプラスミノーゲンと相同性が高いことから近年注目されている。1987年Utermannらは、apo(a)に分子量の異なった6種類のタイプが存在し、その分子量と血漿Lp(a)濃度が逆相関すること、およびメンデルの法則に従って遺伝することを報告したが、apo(a)がバントとして検出されない、いわゆるnullタイプが多く、技術的な点で問題があると思われた。1990年Gaubatzらは、アイソトープを用いて11種類のタイプのapo(a)を検出したが、メンデルの法則に従わないと報告している。また、血漿Lp(a)濃度の頬度分布や、apo(a)タイプの血漿Lp(a)濃度との関係には、民族差があるとされているが、日本人や中国人で詳細に調べた報告はまだない。本研究では、これまでよりも感度、分解能に優れたapo(a)タイプの分析法を開発し、日本人と中国人のサンプルを用いてapo(a)の分子量、apo(a)の遺伝様式、apo(a)の対立遺伝子の種類と頬度、およびapo(a)の分子量の血漿Lp(a)濃度との関係について明らかにすることを目的とした。 ...