Studies on theJaagarusoils and their parent materials : I. Clay minerals of the soils at Shirachichibaru, Gushikami village, Okinawa Island (Department of Agricultural Chemistry)

摘要

沖縄本島南部, 具志頭村白土原に堆積する赤褐色土壌, 白色土壌および青灰色土壌の粘土鉱物組成を選択溶解-示差赤外吸収スペクトル分析, X線回折分析, 示差熱-熱重量分析および電子顕微鏡観察によって調べた。また, これらの3種の土壌母材についても考察した。上層の赤褐色土壌では, 結晶性粘土鉱物はAℓ-バーミキュライト, イライトが主体で他にメタハロイサイト, モンモリロナイトが少量含まれ, 石英も付随した。非晶質成分は遊離の酸化鉄の他に未同定成分が含まれた。赤褐色土壌の母材は国頭礫層の粘土や礫, あるいは古生層の粘板岩であることを推察した。上層と次の青灰色土壌との間の白色土壌では, 結晶性粘土鉱物はメタハロイサイト, ハロイサイトが主体で他に少量のイライトが含まれるだけで, 石英をほとんど付随しなかった。非晶質成分は, ごく少量の遊離の酸化鉄の他に未同定成分が含まれた。白色土壌の母材は, 上層および下層のいずれの土壌母材とも異なる琉球石灰岩に由来することが示唆されたが, この土壌母材の確定は今後の研究を待たねばならない。下層の青灰色土壌では, 結晶性粘土鉱物はかなりの量のモンモリロナイト, イライトが主体で他にAℓ-バーミキュライト, メタハロイサイトが少量含まれ, 比較的に多くの石英が付随した。非晶質成分は先の2つの土壌と同様, 遊離の酸化鉄の他に未同定成分が含まれた。青灰色土壌の母材は泥灰岩であることを認めた。