A study of latent mastitis of cattle : I. Results of detection of mastitis by the modified California mastitis test (CMT)(Department of Animal Science)

摘要

沖縄県における乳牛の潜在性乳房炎の発生状況を知る目的で, 本島南部地区(1980年, 同一地域を夏季と秋季に, 延べ201頭, 780試料)および北部地区(1981年, 2地域の計148頭, 575試料)の搾乳中のウシから分房ごとに採取した試料について, 調査を行なった。CMTで凝集程度が十以上を陽性とすると, 分房別では南部地区29.7%, 北部地区28.3%, 頭数別ではそれぞれ61.2%と63.5%であり, 両地区に大きな違いはなかった。また, 南部地区における夏季と秋季の陽性率は, 分房別および頭数別ともにほぼ同じであった。しかし, 北部地区の陽性率では地域によって大きく異なり, A地域は分房別で33.8%, 頭数別で72.8%であったのに対し, B地域はそれぞれ16.0%と42.2%であった。なお, これらの陽性率は, 南部地区および北部地区ともに酪農家によって大きく異なった。陽性牛では, 1分房または2分房陽性のものが多く, これら両者で78.9∿82.9%を占め, 4分房とも陽性のウシは少なかった。CMTによる凝集程度とブリード法による細胞数との関係では, 凝集程度が強いほど細胞数は増加し, 凝集+で平均細胞数は50万/mlを越えた。しかし, この+では, 過半数の試料が細胞数49万/ml以下であった。CMTと細菌数またはpHとの関係では, 凝集程度が強いほど細菌数の多い試料が多く, また凝集程度が強い試料ではpH6.7以上のものが多かった。