Effect of soil environment on the growth of sugar cane : II. Growth evaluation of 1st and 2nd ratooning sugar cane cultivated in different soils in Okinawa (Department of Agriculture)

摘要

異常渇水がサトウキビの生育と収量に及ぼす影響を明らかにするために, 夏植え収穫後の1次株出しおよび2次株出しサトウキビを対象に調査を実施し, 次のような結果を得た。1. 少雨年である1977∿'78年期の1次株出しの生育は, 6月の時点では3ほ場間にはほとんど差異はなかったが, 生育後期になると多くの形質で, 島尻マージ土壌の上原, 喜屋武原ではジャーガル土壌の長田原に比べて著しく劣り, 特に平方メートル当り原料茎重は前年の夏植えの約半分に低下した(図1,図2,図3,図5,表3)。2. 降雨量の多かった1978∿'79年期の2次株出しでは, 上原, 喜屋武原の生育もかなり良く, 長田原との間にはほとんど差はなくなった(図1,図2,図3,図5,表3)。平方メートル当り原料茎重も上原, 喜屋武原では1次株出しの2倍に達し, 長田原に近い収量が得られた(表3)。このことは島尻マージ土壌でも水分補給さえ十分に行なえば, 株出し不萌芽個体も減少して, 茎数も増え, ジャーガル土壌とほとんど遜色のない収量が得られることを示唆している。3. 上原, 喜屋武原の1次株出しは葉がシオレ現象をおこして枯れ上がりを促進し, 1茎青葉数, 葉面積指数の著しい減少をもたらした(図6,図7,表3)。4. 実測茎重と推定茎重(茎の中央付近の横断面積×茎長)の相関はいずれも1%水準で有意であった。茎の充実程度について検討すると, 上原, 喜屋武原における1次株出しの実測茎重は推定茎重よりも軽い茎がかなりあり, 長田原より茎の充実が劣っていた。しかし, 2次株出しでは3ほ場間に大差はなかった(以上図8,図9)。