Comparison of body measurements in the Okinawa meat goat among the islands and the possibility of breeding for miniature goat (Department of Animal Husbandry)

摘要

沖縄肉用ヤギの体型を島嶼間で比較するとともに遺伝的な外部形質と体型との関連性, 体各部位間の相関および実験動物としての小型ヤギの育種の可能性について検討した。調査したヤギ(733頭)は1才以上の雌とし, 毛色, 肉髯などの5形質を観察するとともに体高, 体長など13部位の計測を行なった。調査した島は, 与那国島, 石垣島, 宮古島, 久米島, 座間味島, 沖縄島中南部, 沖縄島北部, 伊平屋島, 伊是名島および粟国島の10集団であった。調査期間は1975年6月から1976年8月までとした。1.沖縄肉用ヤギの平均体尺測定値は体高58cm, 斜体長64cm, 腰角幅14cm, 胸囲74cm, 体重33kgであった。体型の島嶼間比較においては, 沖縄島と宮古島のヤギが大きかったのに対し, 伊平屋島と久米島のヤギが小さかった。2.外部形質と体尺測定値との関連性は, 白色個体が有色個体に比較し大きかった。他の形質における体型の大小関係は, 肉髯あり>肉髯なし, 毛髯あり>毛髯なし, 無角>有角, 副乳頭なし>副乳頭ありとなっていた。3.全肉用ヤギの各部位間の相関係数はいずれの部位間でも有意に高い正の相関が得られた。体重と相関の高い順位は胸囲, 胸深, 体長であった。他方, 小型ヤギにおける相関係数は全般に低かった。4.全肉用ヤギと小型ヤギの外部形質の出現率は白色84,73%, 肉髯あり28,21%, 毛髯あり85,78%, 有角68,78%, 副乳頭あり44,52%であった。5.実験用小型ヤギの望ましい外部形質と体型, さらに毛髯は在来型の特徴から除くべきことについて考察した。