Clinical significance of serial quantitative measurement of hepatitis B surface antigen in patients with chronic hepatitis B who were treated with nucleoside analogs

摘要

Nucleoside analog(NA)投与を行ったB 型慢性肝炎18 例(男性13 例、女性5 例、観察期間中央値55 ヵ月)を対象にした。治療前後の比較が可能であった8 例では、治療前のHBsAg 量とHBV-DNA 量およびHBcrAg 量には相関傾向がみとめられた。治療開始時に高値を示したHBV-DNA 量は、全例検出感度以下に著減した。しかし、HBsAg 量が減少したのは3 例のみで、他の4 例は不変、1 例は増加した。HBsAg 量増加の1 例ではHBcrAg 量の減少も不十分で、治療開始85 ヵ月後にHCC の発生をみた。HBsAg 量非減少例では、発がんのリスクを認識しておく必要があると考えられた。全18 例でみても、NA 治療はB 型慢性肝炎患者の血中HBV-DNA 量を明らかに減少させたが、HBsAg 量の減少効果は不十分であった。今後B 型慢性肝炎の治療はHBsAg 量の減少を目指し、NA とpeginterferon alpha-2a の併用あるいはsequential therapy も考慮されるべきと考えられる。NA 治療例におけるHBsAg 量の経時的測定は、NA 治療中の治療効果把握のモニタリングに有用であると考えられる。