3次元CAD導入で展開時間と不良を削減：成形形状認識のルール化が必須

摘要

商品企画から開発、設計、試作、量産までの商品開発のプロセスにかかるリードタイム短縮を行うためのツールとして3次元CADの活用が叫ばれてから久しい。 当初は航空機や自動車など部品点数が多くて、しかも意匠検討や構造解析などを経て作成したモデルに基づいて、機械加工、塑性加工、成形加工など多様な加工技術を駆使して生産が行われる製品分野で導入が進み、数年前からは家電をはじめとした消費財から、工作機械、産業機械などの生産財まで、幅広い分野で実用化されるようになってきた。 そんな中で、板金業界でも数年前から電機、レエクトロニクス業界を中心に試作板金業界で実用化が始まり、昨年後半からは様々な業種、企業で3次元化CAD導入が進み始めた。 これまでは上流である発注元の設計部門が3次元化されても、板金業界には「展開を経て切断、抜きなど大半の加工が2次元で行われており、3次元化しても板金業界には2次元のDXFデータやプリントアウトされた紙の三面図で発注が行われるので3次元化への対応はしばらく先」という認識が主流を占めていた。 ところが、ここへ来て発注元の設計部門が協力工場や社内の製造部門と一体となって、新商品企画段階で機能や性能、品質、コスト、保守性などを作り込むコンカレント·エンジニアリングや加工性、組立性などに関して関連部門がデザインレビューするコラボレーション·エンジニアリングという考え方が普及してきた。 特に商品開発競争がグローバル化してくると、コスト削減、開発リードタイムの短縮という命題を実現するツールとしても3次元CADの有効性が認識されるようになってきた。