ベルトCVT用プーリ支持軸受

摘要

自動車におけるトランスミッションは，運転状況に応じて最適な駆動力をタイヤに伝える重要な役割を担っている．トランスミッションには，大きく分けて，手動変速機（以下，MT: Manual Transmission）と自動変速機（以下，AT: Automatic Transmission）のふたつがある．MTでは，ギヤを入れ替える際にドライバーがクラッチペダルを踏みながらシフトレバーを操作してギヤを選択する必要がある．この変速における一連の操作を不要としたものがATである．ATは，さらに変速機構によってステップATと無段変速機（以下，CVT: Continuously Variable Transmission）に分けることができる．近年，FF (Front Engine Front Drive)車を中心にCVTの採用が拡大している．そのCVTは，VDT (Van Doorne's Transmissie)型の金属ベルトを採用しているベルトCVTである．本報では，金属ベルトCVT（以下，ベルトCVT）のプーリ支持軸受の特徴及びNSKの長寿命化技術について解説する．