トシ畔柳のデザイン検証〈17〉意欲的なデザインと卓越した走りのアウディA6

摘要

"よい子"路線からの脱却高性能で上品だが存在感は比較薄かったアウディA6（C5型）に大きな変化が見えた．言葉は悪いが少し「わる」な顔になった．好き嫌いで選ばれる個性的な車に変身したというべきだろうか．1972年の初代アウディ100はサイドウィンドウの段差をほとんどなくした世界初の量産モデルであった．それがA6に名称変更されたのは2世代目，1990年代なかばである」フルタイム4 WDのクワトロが追加されても不良っぽさをまったく感じさせなかった1998年に登場した先代A6はクーペのようなアーチ型キャビンを持ち，明快なテーマとソリッドな画質で発表当時は個性的だった．初代から受け継がれてきた"よい子"路線は守られてきた問題は，他社がこのトレンドにいち早く追従したことである．シルエットやドア断面までよく似た車が数多く登場した．さらに身内まで同調した．A8やA4など上下の兄弟車を酷似させてしまい，遠目にはほとんど見分けがつかないほど，A6の存在感を薄めてしまった．いっぽうライヴァルのベンツEシリーズやBMW5シリーズは派手やかさと押し出しの強さで対抗してきた．