ライノ·モデリング（最終回）：第5章 インテリアのモデリング（オーガニック·フォルムの場合）

摘要

インテリアのモデリングは一般にデザインが確定してから始める．しかし多くの部品や材料の集合体ともいえるインテリアをモデリングするためには，適宜に形を整えるデザイン的知識も必要である．車内空間は広ければ広いほどよいというものではない．車の室内が住居の部屋と異なるのは着座したまま必要な操作をすることと，室内と共に路面を移動することである．そのような環境では，たとえば天井が高くてヘッドルームに十分な余裕がある車内の場合は意外に落ち着かないものである．同様にシートが車体中央に寄りすぎてサイド·ウィンドウまでの距離があると，これまた落ち着かないものである．室内空間と共に走るには，人と車の一体感が必要であり，運転者の注意が届く空間でなければならない．これらの要素から，快適な車内空間とは，概して車のコンセプトによって分けられて決定付けられる．スポーツカーは車との一体感をより必要とするので比較的狭い空間がよく，ファミリーカーでは少しルーズな姿勢がとれる空間，そしてミニヴァン／SUVタイプは車室内の移動や停車時の室内空間の利用などを考慮した広めの空間が求められる．