アルファ·ロメオ8C 2300

摘要

イタリアで5指に入るレーシングカー設計者の大家を挙げよ、と訊ねられたら、私なら迷うことなくヴイツトリオ·ヤーノの名をまず口にする。次にジョアツキーノ·コロンボだろうか。彼は戦前から1950年代にかけてアルファ、フェラーリ、マセラティ、ブガッティと渡り歩き、158／159アルフェツタ、フェラーリ125F1、マセラティ250F、ブガッティ251、アバルトの750cc DOHCエンジンなどを設計したが、キャリアをスタートさせた当初は、じつはヤーノの指導を受けた弟子筋に当たる。あとは、そこにアウレリオ·ランプレーディ（フェラーリ375F1や500F2、555F1スーパースクワロ）、ジュリオ·アルフィエーリ（マセラティ450Sやティーポ60系バードケージ）、マウロ·フォルギエーリ（フェラーリ312F1や312PB）らの名を加えたい。だが自動車史に燦然と名を残す不世出のレーシングカー設計者となると、やはり真っ先にヤーノのことが思い浮かぶ。