京成バス株式会社：恵まれた営業基盤の中,多彩な商品展開で需要の維持拡大を進める

摘要

京成電鉄のバス事業は1930（昭和5）年，千葉バス，東葛乗合自動車，両総自動車の買収により誕生した子会社·京成乗合自動車が端緒である。1932年には路線拡大により京成電鉄自身もバス事業を発足させるが，1934年には京成乗合自動車を統合して京成電鉄1社体制とした。戦後は1950年に観光貸切バスを運行開始，さらに1960年代からは京成線沿線などの宅地造成に伴い，千葉県内を中心に路線拡大を進める。さらに1980年代に入ると千葉市幕張地区の臨海部に開発された幕張新都心にも路線を展開するが，1998年12月には同エリアのビジネス街の通勤輸送に向けて，国内の一般路線では初の連節バスを導入し注目を集めた。一方，千葉県北部などのローカルエリアでは1990年代半ばから2000年代初めにかけて地域ごとの分社を進めるとともに，京成電鉄自体もバス事業の分社化を図り，2003年10月に京成バスが営業開始，現在に至っている。