心不全

摘要

beta遮断薬は左室収縮機能不全を伴う慢性心不全患者の予後を改善する.大規模B1床試験で有効性が明らかにされた力ルベジロール，ピソプロロール，コハク酸メ 卜プロロールを用いる.導入にあたっては低用量から開始し，徐々に維持量に向けて増量する.かってbeta遮断薬はその陰性変力作用により， 左室収縮機能不全を伴う慢性心不全患者への投 与は禁忌であると考えられていた.しかし， 1975年にWaagsteinらがbeta遮断薬を拡張型心 筋症患者に投与することにより心不全症状や心 機能が改善することを報告して以来，多くの大 規模臨床試験が行われ，beta遮断薬には左室収縮 機能不全を伴う慢性心不全患者の予後を改善する作用があることが明らかになつている.