ステロイド剤-expertの使い方を知るべし!

摘要

ステロイドは，漬瘍性大腸炎にもCrohn病にも有用な寛解導入薬である.寬解導入には優れているが，寛解維持効果はなく，無用な長期使用を避ける.ステロイド抵抗例を早期に見極めること，また，依存例を医原性に発生させないことが大切である.炎症性腸疾患治療におけるステロイドの副作用は，他疾患にみられるものと同様である，副腎皮質ステロイド（以下，ステロイド）は強 力な抗炎症作用を有することから，炎症性腸疾M(inflammatory bowel disease ： IBD)の宽解 導入の中心的な役割を担っている.同薬剤は， 潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis ： UC)やCrohn 病（Crohn's disease ： CD)の中等症?重症，劇 症に有効であるが，ときに抵抗例や依存例も認 め，その使用法に配慮が必要である.また， IBDにおける副作用も他疾患におけるものと同 様である.