先端巨大症（ァクロ メガリー）

摘要

特有の顔貌や四肢末端肥大などの身体所見から，思いつけば診断が容易な「気づきの病気」である.いびきや睡眠時無呼吸，変形性関節症，咬合不正，月経異常，手根管症候群などの症候にも注目する.臨床的な活動性評価の指標として，頭痛，発汗過多，感覚異常，関節痛などが挙げられる.GH分泌過剰は, 経口グルコース負荷に対するGH分泌抑制の欠如，IGF-Iの高値により証明する.先端巨大症の原因はGH産生下垂体腺腫で，治療の第一選択は外科手術であるが，薬物療法も有効である.既往歴?生活歴?家族歴, 特記事項なし，内服薬なし，3経妊3経産，月経に異常なし現病歴 27歳より多毛を自覚.37歳時に頸部圧迫感を自覚し，腺腫様甲状腺腫と診断された.気になっていた多毛について相談し，内分泌検査でGH， IGF-Iの高値，頭部MRIにて下垂体腫瘍があり，先端巨大症を疑われ，精査となった.