好酸球性食道炎

摘要

好酸球性食道炎(eosinophilic esophagitis)は， 空中の真菌や食物が抗原となつて食道粘膜に慢性の炎症を起こす疾患であり，喘息，アトピー 性皮膚炎などのァレルギ一性疾患の合併が多く みられる.本疾患は，比較的最近になって確立 された疾患概念であるが，欧米と同様に日本に おいても増加傾向にある.嚥下困難が主な症状 であるが，胸やけ症状も多くみられ，さらに内 視鏡検査で特徴的な所見を示す一方で異常を認 めない症例も多く存在し，胃食道逆流症 (GERD),そのなかでも特に非びらん性胃食道 逆流症(non-erosive GERD ： NERD)との鑑別が重要となる.