新規ァンジ才テンシン受容体ブロッ力 一azilsartanの薬理学的特性

摘要

Azilsartan (TAK-536)は新規アンジォテンシンIIタイプ 1(AT,)受容体ブロッカー(ARB)であり,現在高血圧治 療薬として開発中である。高血圧モデル動物における azilsartanの降圧作用は既存ARBであるolmesartan medoxomiはりも強力かつ持続的であり,その降圧作用 はAT^容体への強固な結合と極めて緩やかな受容体か らの解離により発揮されるものと考えられた。また azilsartanは明確なインスリン抵抗性改善作用も併せ持 つ事から,既存のARBに比して優れたプロファイルを 有する高血圧治療薬となることが期待される。成人において高血圧は最も罹患率の高い疾患の一つであり,2000年の時点では全世界で9.7億人の 患者がいると報告されており,2025年にはさらに 患者数が60%増加すると予測されている"。日米欧 の高血圧ガイドラインでは,複数の薬剤併用によ り積極的に降圧目標を達成することを求めている が,現在でも高血圧患者の半数程度しか降圧目標 (収縮期血圧が <140mmHg,拡張期血圧が <90mmHg)に達していない"。このような観点か ら,優れた特長を持つ新規降圧剤は降圧治療に有 効な手段を提供するものと考えられる。