血球系の再生医療

摘要

近年，様々な疾患に対する再生医療が開始されている。 再生医療の基盤となる細胞は幹細胞であり，この細胞は自己複製能と様々を細胞への分化能を併せ持った細胞として知られている。 現在行われているあるいは行われようとしている再生医療はわれわれの身体の中に存在する体性幹細胞を利用したものであるが，将来的にはほぼ無限の自己複製能を持つ胚性幹細胞（embryonic stem cell：ES細胞）の利用も考えられている。 本稿では，体性幹細胞としての造血幹細胞を用いた再生医療について少し触れながら，ES細胞を用いた再生医療の可能性について触れてみたい。