ART出生児のフ才口一アツフと その長期的予後

摘要

様々な人工的操作を配偶子, 受精卵に加える生殖補助枝術（ART)では，医原性の異常が出生児に多くなる のではないかと懸念されている。これまでの報告から， ART由来妊娠は単胎であっても早産, 低出生体重児が 多く， ART由来出生児では自然妊娠由来児に比べて先 天異常罹患率が1.4倍，小児, 青年期の癌発生率も1.4倍， 脳性麻痺となる危険性が2倍程度高いことがわかってい る。これらのリスクは現在のところ多胎, 不妊'ある いは早産といった因子によると考えられているが，凍 結胚移植と新鮮胚移植を比較した報告では，出生体重 の差についてARTそのものの影響も否定できない結果 も得られている。一方理論的にARTで罹患率が増加す る可能性が考えられているインプリンティング異常疾 患は，大規模調査では自然妊娠に比較してART由来出 生児で罹患率が増加するという報告はない。また出生 児の認知発達に関してもこれまでの報告では自然妊娠 と差がないというものが多い。