標準化ソリューションとしてのIHE統合プロファイル

摘要

IHE統合プロファイルは,日常の業務を医療情報処理の基本プロセスに分解して機能のモデル化を行い,通信手続き(トランザクション)を標準規格を用いて定めたものであり,標準的な医療情報システム構築ソリューションとして優れた手法である.現在までに放射線部門, ITインフラ,循環器部門,臨床検査部門で開発されたプロファイルは,医療機関での実装が準備されている段階であり,先進的な医療機関での導入事例の発表も行われている.日本においては,病院情報システムの発展の歴史が異なることや電子保存のガイドラインなどの違いはあるものの,通常運用のワークフローとしては70%以上が利用可能との検討結果となっている.本稿では,放射線, ITインフラを中心として各統合プロファイルの検討状況をまとめ,今後の課題について述べた.とくにEHRについては医療機関間の連携が新たな統合プロファイルとなっており,長期にわたって複数の医療機関にある情報にアクセスする枠組みとして重要な検討課題であると考えられる.