GMアジア事業、市場選択による効率的な事業強化とGM大宇の経営安定が課題

摘要

GMのアジア·大洋州事業は、経営再建の途上にあるGMにとって、南米事業と並び成長余地の大きい重要事業である。だが、日系完成車メーカーが既に高い競争力を確立した市場も多く、GMにとっては強化すべき市場の選択による、効率的なアジア·大洋州事業の強化が求められる。こうした条件を満たすのは中国とインドであるが、中国ではGMが既に一定の事業基盤を構築しているのに対し、インドでの成長余地は大きい。このなかで製品戦略の鍵を握るのがGMの小型車開発拠点であるGM大宇だが、GM本体の経営危機と欧米向け輸出が縮小している影響からGM大宇の経営状態も2008年後半以降悪化している。このためGM大宇の経営安定も、GMのアジア·大洋州事業の課題となる。