顔面表情運動の3次元的検討麻痺例につい

摘要

顔面表情運動の他覚的評価法にはさまざまな方法があり、様々な方法が試みられている。 以前より、当教室で行っているマーカーを用いた評価法もその上つである[1]，これまで、この方法を用いて、正常者、顔面神経麻痔、さらに病的共同運動などについて検討し、その成果を報告してきたが、それらはカメラ1台を用い前方から顔面を観察するⅩY平面としての2次元的検討であった。 この2次元的検討で眼輪部に関してはほぼ満足いく結果が得られたが、口輪部に関しては、動きが少なく不十分であった。そこでもう1台のカメラを増設し、 3次元的に検討することにより、マーカーの前後への動きをとらえることが可能となった。この方法を用いて正常者について検討した結果、口輪部の動きを正確に評価するためには3次元的な解析が有用であることがわかった[2]。 今回は顔面神経麻痔時のマーカーの動きを3次元的にとらえ正常者と比較したので報告する。