フグによる食中毒事例について

摘要

5月8日に患者が弟とともに鳥取県中部沖で釣った.同 行した弟よるとこのフグは背中に白い斑点のある15 cm程 度で通称「コメフグ」というフグとのことであった.②発症までの経過5月9日正午頃，前日釣ったフグをすベて煮付けにして 昼食として摂食し，農作業に従事したところ体のだるさを 感じたため.16時頃帰宅.18時頃倉吉市内の医療機関に 救急搬送.患者は脳梗塞の既往症があり，当初は脳梗塞の 再発が疑われたが，21時頃に容体が急変し，自発呼吸停止，瞳孔散大などの重篤な状態となり，人工呼吸器による 呼吸管理を実施.このとき，主治医は家族から患者がフグ の煮付けを食べていたことを伝えられ，初めて知ることとなった.自発呼吸停止に伴って脳に障害を生じたために瞳孔散大など重篤な症状がしばらく継続していたが，5月10 日夕方ごろから意識レベルの回復の兆しが見られ，翌週退 院した.