保証期間延長契約に関する一考察

摘要

製品の保証は企業の競合戦略において重要な要素となっている．保証は消費者と製造業者の両方にとって重要である，消費者は製品が十分に機能を果たす確信を得るために保証を必要とし，一方，製造業者は顧客からの不正な保証要求に対する保護と宣伝の目的で保証を使用する．現在の我が国において，特に家電のような製品は，その故障に対して製造業者によって標準で1年間保証されることが多い．実際，製品を使用する期間はこの保証期間よりも長いことが多いため，近年になって，このような製品を販売する販売店の中には，顧客と独自に保証期間を延長する契約を結ぶ販売店が増加している．本研究では，システムが標準でnonrenewing無料取替保証によって保証されていると仮定し，販売店が顧客と独自に結ぶこの保証期間を延長する契約について考える．ここでは，保証期間延長契約料金に村する適切な価格設定方法の確立に貢献することを目的とし，修理系製品に対して信頼性理論に基づいた保証期間延長契約に関するモデルを提案する．また，数値例を用いて提案したモデルの特徴についても考察を行う．