PIV法とデジタル画像相関法を応用したゲルの内部ひずみ測定法

摘要

ゲルの変形の測定には通常，画像計測が用いられる．Yashikiらはゲルの表面にグリッドパターンを描いておくことにより変形を可視化している．しかし表面が奥行方向へたわむ影響があるため，画像から変形場に対する定量的な評価は行っていない，Uchidaらは十分に薄いゲルシートの引張り変形をデジタル画像相関（DIC）法により測定している．これらのようにゲルが変形する際には表面と内部の変形が異なるため，二次元的なモデル実験を行うか十分に薄い試験片を用いなければ変形を測定·評価することが困難である．本研究は脳振盪発生時の脳深部のひずみを再現·計測可能なモデル実験手法を提案する研究の一環として行われ，ゲル内部の任意断面におけるひずみ分布の可視化·計測を行った．流体の速度計測手法である粒子画像流速計（PIV法）を応用し，固体のひずみ測定手法であるDIC法と組み合わせて用いることによって透明ゲル内部のひずみを測定し，計測方法の妥当性を検証した．本論文においては「透明ゲル内のトレーサ粒子をシートレーザにより可視化し画像計測を行うこと」をPIV法と記載し，DIC測定と分けて記載した．