バイオコークス技術を用いた震災除染物の減容化

摘要

2011年放射性物質汚染対処特措法が公布され，安全確保のため濃度によって廃棄物の処理基準が決められ，焼却灰，汚泥，草木類など様々放射性物質を含む廃棄物が，焼却処理などを経て，最終的には放射能の濃度に応じて，適切な方法で減容化処理が進められることとなった．バイオコークス（BIC）化技術は，光合成由来のバイオマスを原料とする新しい固形化技術であり，その特長として見かけ比重が1.2～1.4（真密度に漸近）と高く，大幅な減容化を達成することができ，最大圧縮強度が約100MPaと機械的強度が高く，保管時の破損·崩壊が少なく，吸水·発酵しにくく，保管に優れるなど多くの特性が挙げられる．このBIC技術が放射性汚染バイオマスの減容化技術の一つとして極めて有用であり，保管場所不足問題の解決に貢献できると考え，2014年環境省·「除染技術実証事業」によりBICの保管運搬時の安全性に関する試験を実施し評価した．