単一入力ルール群結合型ファジー推論法の性質に関する一考察

摘要

現在主流であるファジー推論の一つに簡略化推論法が挙げられるが，複数入力1出力に対し，規 則数が入力数に伴い指数的に増加するといった欠点が挙げられる．これに対して，湯2～6は，複数入 力1出力において，従来のファジー推論モデルよりも規則数を大幅に削減可能にした単一入力ルール群（Single Input Rule Modules：以下SIRMs）結合型ファジー推論モデルを提案した．本論文では，SIRMs堆論法の規則 から簡略化推論法の規則に変換する手法を提案し，同一の推論結果を得ることができることを示す．逆について は，簡略化推論規則が表形式で与えられ，かつ，表中における対角要素の和が等しいような条件を満たす場合はSIRMs推論規則に変換できることを示す．また，このような条件は満たさないが，簡略化推論規則が表形式で与 えられている場合には，その上限，下限を実現するようなSIRMs推論規則を設定することができることを示す． このことから，SIRMs推論法は簡略化推論法の部分集合であることを明らかにした．