周期的な閃光刺激の照度に対するα波の応答依存性

摘要

間欠閃光刺激の照度に対するα彼の応答依存性をエンベロープ（振幅）と位相の観点から定量的に調べた．その結果，α波は，1）低照度の刺激に対して振幅が減少し，位相ジャンプ頻度が増加する抑制的な応答を示す一方，2）刺激照度の増加に伴い，一転して振幅が増大して位相ジャンプが減少する安定化応答に切り換わることがわかった．低照度刺激に対する抑制度は，安静時に単峰型のスペクトルを有するα波が多峰型スペクトルのα波よりも強く，一方，刺激上昇に対する安定化度は多峰型のα彼の方がより顕著であり，高照度刺激時にはしばしば引込み状態へ遷移した．特に低照度刺激に対する抑制的応答はα彼の非線形特性に関する新しい実験的知見であり，非線形振動子系を用いてα彼のモデルを考察する上で有用と考えられる．