海上輸送と港湾

摘要

海上輸送にとり，運航する船舶が寄港し，海上と陸上との結節点となる港湾は，必要不可欠なインフラであるとともに，重要なインフラである。 また，世界の物流において，国際海上コンテナ輸送という輸送モードにおける年間輸送トン数を100とした場合，国際航空貨物トン数は約2程度という割合からわかるとおり，国際物流の主要モードである海上輸送を支えるインフラとして，港湾インフラの重要性は，きわめて大きいと言える。 一方，日本は四面を海に囲まれているとはいえ，かつて海上輸送が担っていた，人の国際的な移動に関わる主たるモードが，航空輸送へ切り替わって以降，船や港湾という輸送手段やインフラについては，本誌の大多数の読者の方々にとって，直接目にする機会は多くなく，比較的馴染みのないものとなってきていると認識している。