進化していく車の安全性能：今後の車両安全対策のあり方について－交通事故のない社会を目指して

摘要

わが国においても，2006年3月に取りまとめられた「第8次交通安全基本計画」において，究極的には交通事故のない社会を目指すとともに，2010年までに交通事故死者数を5500人以下，死傷者数を100万人以下とすることが目標として掲げられ，この実現に向けて交通社会を構成する「人」，交通環境としての「道」，及び交通機関としての「車」の三つの要素について，交通安全対策に取り組んでいるところである．本稿では，このうちの「車」の安全対策について，これまでの基準の整備状況，今後の安全対策の進むべき方向性等を中心に，説明していくこととする．