将来のモビリティと自動車文化：人間生活技術戦略－五感で納得できる暮らしを目指して－2030年に向けたモビリティを考える

摘要

経済産業省では将来においても健康で楽しく生きがいある生活の実現を目指し，2030年においても団塊世代が元気で介護不要であり続けるよう“健康寿命80歳”の実現や高齢者·女性の労働参加の支援，新たな産業の創出に向け，人に親和し五感で楽しめ納得できる機器·空間·システム（次世代ロボット，バーチャルリアリティ，オンデマンドファッション，歩くように自由に使える新たなモビリティなど）の開発などを行うために，「人間生活技術（身体寸法·形状，行動，五感，感性，認知，判断などの人間の特性や生活空間·環境をよく知り，活用する技術）」に関して，2030年に向けた長期的な戦略の策定に取り組み，2006年4月に，暮らしに根付く人間生活技術の長期的な戦略「人間生活技術戦略」を取りまとめた．戦略の策定にあたっては，①少子高齢化と経済活性化の両立，②新たな産業の創出を目標に掲げ，長期的に社会環境の変化の分析を行い，将来実現したい社会像を描き，その実現に必要な「人間生活技術」の検討をバックキャスト的に行った．