学会の新たな発展を求めて

摘要

繊維学会が、1943年の12月に設立され、一昨年12月に60周年を迎えられたことは、その祝辞を学会誌に書かせていただいた時に初めて知った。 一方、高分子学会は、1951年の12月に設立されたので繊維学会は8年先輩である。 両学会の前身は、ホームページによると、繊維学会は繊維素協会（1924年設立）と繊維工業学会（1935年設立）であり、高分子学会は日本合成繊維研究協会（1941年設立）である。 共に繊維関連の学協会をその前身にもつ兄弟のような学会であり、現在、繊維学会の会員の70～80％は高分子学会の会員でもあると聞いている。 会員数は弟の高分子学会が、兄をはるかに追い越したようである。 しかし、高分子学会もバブル経済の崩壊後、会員は減少し続けており、学会としては非常に頭の痛い問題である。 繊維学会においても事態は多かれ少なかれ似ていると思う。 このような状況のもとに、その歴史を振り返り、新たな出発点を探ることは両学会にとって有益であろうと考え、筆を執らせていただいた。