市街地環境におけるSDMA基地局構成

摘要

近年，周波数利用効率を向上させるため，SDMA (Space Division Multiple Access)方式が提案されている．本報告では市街地などの多重波伝搬空間におけるSDMAの効果を把握するために，市街地伝搬環境におけるSINR特性を評価した．シミュレーションの結果，SINR変動特性は基地局アンテナ高に大きく依存し，基地局アンテナ高100m以上では端末間の角度差が小さくなるにつれてSINRは低下するが，基地局アンテナ高50mでは端末同士がかなり接近する範囲以外ではSINRの極端な低下は見られないことがわかった．また，垂直偏波を用いた場合と水平偏波を用いた場合を比較すると，基地局アンテナ高が50mと低いときには，垂直偏波を用いた方が高いSINRが得られることがわかった．