3次元胸部CT画像からの肺動脈·肺静脈の分類

摘要

現在，肺塞栓症や肺腫瘤の診断の多くは，CT（Computed Tomography）画像が用いられている．肺塞栓症や肺腫瘤の診断において肺血管の種類は重要な情報である．しかし，CT画像上で肺動脈と肺静脈のCT値に差異がみられないために容易に区別することはできない．また，CT装置の進歩により，摄影の枚数は増加し，それを読影して肺血管を分類することは医師の負担となっている．そこで、肺血管を自動分類する計算機支援診断（CAD：Computer-aided Diagnosis）システムの開発が進められている．上記のように肺血管は簡単な閾値処理では分類できないので，本研究では，肺動脈は気管支と並走し，肺静脈は気管支と気管支の間を走行するという関係を利用する．この関係を利用するために各特徴量（気管支·ポロノイ境界面）からの血管の距離を計測し，距離情報を基に肺動脈·肺静脈の分類を行い，その結果を視覚的に評価した．