重症急性膵炎に対する血液浄化法

摘要

最近，重症急性膵炎の発症には膵組織の損傷により過剰に産生されたサイトカインをはじめとするhumoralmediatorが重要な役割を果たしており，これらhumoral mediatorが直接あるいは組織酸素代謝の障害を介して細胞の機能障害を引き起こし，ひいてはその細胞が形成する重要臓器を機能不全にいたらしめると考えられるようになってきた．このため，重症急性膵炎に対する血液浄化法は合併する急性腎不全に対する腎機能代行のみならず，humoral mediator除去効果を介した臓器不全対策としても施行されるようになった．腹腔洗浄/腹膜灌流（peritoneallavage：PL），腹膜透析（peritoneal dialysis：PD），血液透析（hemodialysis：HD），持続的血液濾過（continuous hemofiltration：CHF），持続的血液濾過透析（continuous hemodiafiltration：CHDF），血漿交換（plasma exchange：PE）などが臨床応用されている．