モバイル無線網の進化とそれを実現するモバイルフロントホールの動向

摘要

まず、LTE-Advancedおよびそれ以降のモバイル無線アクセスネットワーク（RAN）の進化の方向性を概観する。将来のRANとして種々の新しい技術が提案されているが、共通するコンセプトとして、“セルの仮想化”と“RAN機能の仮想化”の2つを挙げることができると考えている。この2つのコンセプトを実現するためには、モバイルフロントホール（無線基地局のベースバンド処理部BBUと無線アクセスポイントAP間のインタフェース）を経済的に構築できることが重要なファクターである。次に、このような背景のもと、モバイルフロントホールに対する要求事項および最新動向について述べる。特に、多アンテナを使った空間多重によりRANの容量を増加させるためには、現在のBBUとAP間の機能分担ではフロントホールの情報伝送量がネックとなってしまうため、BBUとAP間の機能分担を最適化することが重要であることを説明する。