印刷物のための反射率分布の推定

摘要

本の表紙やポスターのような印刷物を対象としたアーカイブ化の重要性が認識されている．印刷物の見え方は表面の反射特性の影響により，照明環境によって多様に変化する．従来のアーカイブ化では，無反射状態で正面から撮影することで，画像データとして保存するため，単一の見え方のみしか再現できない．本研究では，印刷物の多様に変化する見え方を再現することを目的として，反射率分布の推定手法を提案する．可動メカニズムを必要としない照明装置を用い，カメラの露光量を変更しながら対象を撮影することで，各画素で拡散反射率と鏡面反射率を推定する．