《病態理解のために》AML1と白血病

摘要

急性白血病においては約65％の症例に何らかの染色体転座を認めるが，それらの染色体転座では，転写因子をコードする遺伝子が再構成を受けることが多い．AML1（acute myeloid leukemia1）は白血病においてもっとも高頻度に転座の標的となる遺伝子で，白血病の発症とともに正常の造血においても重要な役割を担っている．本稿では，AMLl関連融合遺伝子の生物学的機能と白血病におけるAML1の点突然変異を中心に概説する．