可視光通信用速度補償回路の設計と解析

摘要

近年，既存インフラである照明の光を変調し情報を載せることにより通信を行う可視光通信が注目されている．この通信システムの高速·広帯域化かつ使用ハードウェアの小型化を目指すには単独の照明用LEDによる伝送速度を上げることが有効である．そこで，本研究では，可視光LEDを用い，光応答が遮断される周波数付近よりも高域部分においてLED駆動電流値が上昇する特性を持つ速度補償回路を付加したLED駆動回路を設計·試作し，回路動作の小信号等価回路による解析とLEDの光応答性能の評価を行う．その結果，速度補償回路の設計手法を明らかにし，白色LEDに速度補償回路を用いた場合，伝送帯域が2.6MHzから4.4MHzへ増加し，更にブルーフィルタを用いる場合には7.1MHzへ増加することが示される．