協働ロボットシステムにおける近距離優先通信制御方式の提案とその特性評価

摘要

人の入り込めない地域などの調査を複数のロボットを用いて制御するシステムの研究がなされている。本稿で仮定するシステムでは調査結果を各ロボットがそれぞれ3G/LTE回線を持ち、大きなデータを高速に転送したい場合は周囲のロボットと協力してリンクアグリゲーションを用いて仮想高速回線を構成する。周囲のロボットには、無線LAN回線を用いてデータを分配する。無線LANでは、送受信距離が遠いほど低い伝送レートが用いられるため、従来提案されている手法のように、複数のロボットに平等にデータを分配すると、低伝送レートの通信の影響を受け、システム全体のスループットが低下するという問題が起こる。この問題に対して、高伝送レートの通信を優先して行う近距離優先通信制御方式を提案する。これにより、低伝送レートのロボットが存在しても、適度にリンクアグリゲーションに加わるようになることで、システムスループットがかなり改善されることが分かった。