放射光蛍光X線CTの解析的画像再構成アルゴリズムの開発

摘要

本研究グループでは，非放射性ヨウ素（~(127)I）で標識した造影剤を投与したマウスやラットなどの小動物の脳機能情報を高い空間分解能で描出するin vivo蛍光X線CT撮像装置を開発している。これまでに，シートビームを用いる高速撮像方式によって，0.5mm以下の分解能で脳血流情報を撮像できる可能性を，放射光を光源として用いた実験により示した。しかし，その再構成においては，厳密な解析的画像再構成アルゴリズムは確立されておらず，FBP法（Filtered Back Projection）による近似的な再構成法により画像再構成を行ってきた。本研究では，標的物質濃度分布の定量性を向上させるため，SEPECTの解析的再構成理論を蛍光X線CTに応用することで，厳密な測定過程に基づいた再構成アルゴリズムを提案し，シミュレーションにより有効性を示す。