高安動脈炎の免疫学的機序

摘要

原因不明の血管炎である高安動脈炎（Taka－yasu's arteritis）では，炎症に伴って内膜の肥厚が高度になると狭窄性病変を形成し，中膜から外膜にかけての組織の破壊がより高度になると，拡張性病変や動脈癌様の病変を形成する．高度の炎症によって急性期に動脈瘤の破裂をきたすことがある，一方で亜急性期から慢性期にわたって遷延性の血管障害が持続することにより，狭窄性病変や拡張性病変の進展および器質化がもたらされると考えられる．