自動車運転時のオプティカルフロー視覚刺激による認知行動への影響

摘要

自動車のコクピット開発において，人間の認知メカニズムを解明し，理想の情報呈示面を設計することは重要である．これまでの研究では，視対象への認知行動に関し，頭部と眼球の角度比率が変化することが知られているが，自動車走行時のような動的環境の影響を考慮したものではない．そこで今回，動的環境における視覚刺激による認知行動への影響を検討した．今回は，認知行動として頭部と眼球の運動特性を計測した．変数として，シミュレーションする自身の運動速度を用いた．その結果，動的環境における視覚刺激の違い，すなわちオプティカルフロー量の違いにより，頭部と眼球の運動特性が変化することがわかった．この結果を運転中の注意配分，および個人差の観点から考察する．